安眠、そして部屋の掃除のススメ:うつ病 リハビリワーク①

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そのまえに

 意欲が湧かなくて、こまっているのに。はい、おっしゃる通りです。だから、まず眠ることが必要なんです。色々と考えたり、プレッシャーを感じている人も、しばらくあなた自身の為に時間を使ってください。

 

なぜ、部屋の掃除が必要なの?

「目に入る景色を変えるため」です。動けなくなって、掃除なんかおっくうだったりしますよね。そんなときは換気をしましょう。そして、少しずつ部屋の中のものを整理していきましょう。一度に掃除をし終えてしまう必要はありません。あなたのペースでいいんです。

あなたが今いる環境をもっともっと大切に扱いましょう。だって、他の誰でもない、あなたが居るところなんだから!

部屋の中もそうですが、特にうつ病で苦しんでいる人は、頭の中が言葉だったり、過去の思い出だったりでギュウギュウだと思います。そんなときはリハビリワーク③を参考にしてみてください。出しましょう。部屋の中のいらないものも、頭の中の言葉も出して、「空」を作りましょう。 

少しずつ、整理していきましょう。環境に空間を作りましょう。

老子の11章「無用の用」でもこう紹介されています。

自転車の車輪というのは、たくさんのスポークが輪の中心の甑(こしき)に集まっている。この輪の中心の甑は空っぽだ。でも、真ん中が空っぽだから車輪は車輪の動きが出来るんだ。

(略)

家の造りだってそうさ、中が空っぽだから部屋として使えるんだ。

人は目に見えるもの、形のあるもの、中身の詰まっているものを大事にするけれど、じつは、本当に大事なものは、何もない、「空」が支えているんだよ。これを「無用の用」というんだ。

 

安眠の必要性

寝入る直前まで考え込んでしまう、こんな癖はありませんか?過去のアレコレに囚われ続けていませんか?

感情のバランスが取れなくて、そんな自分を罰してしまいやすい時期です。もし、音に苦しんでいる状況であれば、耳栓を使ってみたり、安眠につながりやすいBGM(歌詞なし)を流してもいいかもしれません。

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睡眠中、人は体験した出来事(記憶・行動など)をまとめあげ(統合)、学習したことを自然に行動に移せるようにしています。

逆上がりを練習している 子供をイメージしてください。その子が練習初日には逆上がりを習得できなくても、何日間か練習すると出来るようになりますね?

また、勉強や記憶も同じです。長期記憶は睡眠を重ね、何回も体験することで潜在意識に記憶を入れ、定着させます。そして、学んだことを行動に移し、間違えながら覚え、まとめあげていくんです。(もちろん、技術習得には意志の強さも必要です)

不眠に苦しんでいるうつ病患者が、記憶に苦しむのは このためだと私は考えています。

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ここで、ミルトン・エリクソンという人を紹介します。

彼は精神科医、催眠療法士、心理学者という肩書を持つ人でした。

けれど、生まれつき学習障害を持ち(3とmの区別がつかなかったそうです)、さらにポリオに感染して、17歳の時に全身マヒにより体を動かすことが出来なくなりました。

そこで、エリクソンは幼い妹の行動を観察して 体の動かし方を学び、自分のリハビリにつなげました。そして、足は引きずっていましたが、再び立ち上がったのです。

私の声はあなたとともに―ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー

この本には、エリクソンが行った催眠療法や患者との対話などが紹介されています。うつ病とは直接関係はありませんが、この本に書かれている言葉をいくつか紹介します。

  • 学んだことを「統合」するためにはペースを落として時間を取るように。
  • してはならない、すべきではないという観念で行動しない。したいことをする。
  • 病気・悲劇・死は人生の消化されない部分である。どんな食事にも消化されない部分はあり、それは重要な部分である。
  • 来年は新しい年。明日は別の日。陽は明日また昇る。どんなに打ちひしがれようとも、いつも何か新しい成長と新しい素地がある。

様々なエピソードが紹介されています。私は患者さんとエリクソンの対話から、物事の捉え方を変えるための、ちょっとしたヒントを頂くことが出来たと思っています。

私は自分に合った治療が見つからず(というより自分の内面と向き合うのを恐れていたためなんですが)、結局 催眠療法を体験してから順調に回復しました。催眠療法については、そのメカニズム、別の催眠療法士の著書などを別の記事で書くつもりです。

 

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〈参考図書〉

[新訳]老子

私の声はあなたとともに―ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー

 

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