ちょっと一息:作家 パウロ・コエーリョから学ぶ

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作家になる夢を追うために払った代償

 パウロ・コエーリョという作家をご存じでしょうか。1947年生まれのブラジル人作家であるコエーリョは、幼いころから「作家になりたい」という夢を持ち続け、他の人が真似できないような人生を生きてきました。

まず、作家志望の息子を両親は精神病院へ入院させました。息子に弁護士になるよう望んでいた両親は、収入の安定しない作家(や演劇など芸術方面)を目指そうとするコエーリョを理解することが出来なかったのです。「彼は狂っている」と。

(もちろん狂ってなどいなかったし、他に適当に入院できそうな理由を作って入院させました。)

何度か病院を脱走し放浪を重ね、そして家にたどり着いたときには、彼は友人や職を失い、夢も断念し、精神的に追い詰められていました。そして、コエーリョは思い出の詰まった自分の部屋を壊します。その時、偶然 駆け付けた医師が彼を救いました。すべてを壊したコエーリョに対し、こう言ったのです。

“すべてを木端微塵にした今、君はようやく新しい人生を始められる。君は紛れもなく自分がすべきことをしたんだよ。新たなプラスの人生を始めるために、マイナスの過去をぶち壊すというね。”

“君は自分がするべきだった、ただ一つのことをやってのけたんだ。過去の悪夢を断ち切るというね。今、君の人生は新たに始まったんだ。”

その医師のもとに通院するようになってから、コエーリョは自分を取り戻します。そして、最終日に次の助言を貰いました。

“ここから先は自分自身の足で歩いて行かなきゃならない。もう君はほとんど治っているからね。確かに君は少しは狂っているかもしれないが、それは、私たちだって皆同じだよ。”

コエーリョがコエーリョらしいのは、この助言を貰ってこう考えたそうです。

“少し狂っているくらい何でもない。いずれにせよ、人は誰しも自分の狂った部分に立ち向かわなければならないんだ。自分を成長させるために必要なことをどんどん経験し、精一杯生きなければ。もはや失うものは何もないんだから。”

 その後のコエーリョは本当に他者が真似できないような人生を歩みます。作詞家、黒魔術にハマり、...。以下略。現在では信仰深い道を歩んでいますが、ここまで様々な体験をし、また多くの人を勇気付けるメッセージを送っているコエーリョから学ぶものは多いです。自分を見失いそうになったからこそ、多くの人の心の中に入っていく言葉を残せるんだと思います。

以下、「マジカル・モーメント」より

“さよならを言う勇気があれば、人生は新しい出会いで報いてくれるだろう。”

“人生はその最高の輝きが現れる前には必ず危険な場所を通り過ぎねばならない。”

“自分の傷を癒すには傷と直面する勇気が必要だ。”

“痛みは一時的なものだ。あきらめたら、それで終わりだ。”

“忘れてはいけない。夕焼けが美しいのは雲があるからだ。”

“あなたの傷を誇りに思いなさい。それはあなたが生きる意志を持っていることを思い出させてくれる。”

“あきらめるな。ドアを開けるのは、普通、キーホルダーの最後のカギだからだ。” 

“人生について考えるのをやめて、人生を生き始めなさい。”

他にも、あなたに合った言葉に出会えるかもしれません。もちろん繊細だけど、かなりのタフさを持つ大きな根を張る木のように、再生力のある人になるかもしれませんね。

転ぶななんて言わないけれど、転んだら立ち上がれる人に。そして、再び歩き出せるように。

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〈今回の参考図書〉

パウロ・コエーリョ 巡礼者の告白

マジカル・モーメント---賢者のつぶやき

「マジカル・モーメント」はツイッターでコエーリョが呟いたものをまとめたものです。文字数が少ないので、読みやすいと思います。まだ、ちょっと文章を読むのがキツイという方にいいかもしれません。

 

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